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2004.10.15

竜騎士への誘い(FF11)

ダボイ。
そこは、オークどものこの大陸での本拠地。

 その日は私を含めた戦士3人、赤魔道士、黒魔道士、白魔道士というメンバー構成でダボイへと侵入していた。ウンザリするほどの数のオーク達の目を盗み、時には打ち倒し、私達は歩を進めた。目的はオークが入手したというサンドリアのある秘密。

何匹目かのオークを倒した私達はついに目的のものを発見した。
「なんだ?・・・設計図?・・・・これは!?」
「どうした?」
息を呑む戦士が見詰めるそれを赤魔道士が覗き込む。
「・・・・どこかの建物だな。どこだ?・・・・・・ドラギーユ!?」
仲間達の間に戦慄が走った。ドラギーユ。サンドリア王国の王城だ。その設計図をオークが所持していた・・・・。
「私達は、獣人に対して一枚岩ではないということね。案外獣人の方が結束しているのかも」
事情を知っている白魔道士が自嘲気味に笑う。
「きな臭いな・・・・」
戦士から設計図を受け取る。確かに王城の設計図だ。まさかここまで・・・。サンドリアからの依頼を受けていた白魔道士に設計図を渡そうとしたその時だった。
「オーク!」
先行して偵察していた戦士の鋭い警告が飛んだ。

迫ってくるオークはこれまで何匹か倒してきたモノと同ランクだ。かなりの強さだが、6人が総力を挙げてなんとか退けてきた。しかし
「2匹!」
リーダーである戦士が一瞬だけ背後を振り返った。退路を検討したのだろう。しかしここまで深く侵入してしまった以上、退却してもオークに囲まれ途中で全滅する危険性が高い。
「ここで迎え撃つ!」
迷いを断ち切り、私達は通路の真ん中に仁王立ちして2匹のオークを迎え撃つ。3人が壁となり、オークを食い止めなければならない。
「全力でいくぞ!」
「おう!」
 3人が一斉にマイティストライクを発動させる。数十秒間だけ超人的な力を引き出す戦士の奥の手だ。数日間の後遺症に悩まされることになるが、それも生きて帰れたらの話だ。
 間合いに入った瞬間、3人の攻撃がオークに叩きつけられる。しかし、奴らの突進力はこちらの想像を上回るものだった。一匹が私達を突破し、白魔道士に襲い掛かる。
「マズイ!」
 注意がそれた瞬間、目の前のオークの猛攻を受けて逆に押し込まれてしまう。白魔道士のローブが自らの血に染まるのが見えた。しかし彼女は怯むこと無く仲間を回復し続ける。必ず仲間がオークを止めてくれることを信じて。
「スリプル!」
 間一髪、赤魔道士の呪文がオークを眠らせる。私達も体勢を立て直し、オークを取り囲む。
-いける-
そう確信した瞬間だった。
「後ろ!」
背後からもう一匹のオークがいつの間にか迫ってきていた。
「ここは俺が抑える!」
赤魔道士が剣を抜いて、新たなオークの前に立ちふさがる。

戦況は絶望的だった。
 睡眠状態から回復したオークが叫び声を上げながら、攻撃に加わってきた。白魔道士の魔力はすでに尽き果て、黒魔道士は必死に回復魔法を唱え、攻撃に参加する余裕がない。

死ぬ。

誰もが脳裏に浮かんだその瞬間、白魔道士の体が光に包まれるのが見えた。
「アルタナの女神よ・・・・・彼の者に祝福を!」
眩しい光と共に、仲間達の傷がふさがってゆく。
「みんな・・・・死なないでね」
 呪文ではなく、ただ女神へと祈りを捧げる。それだけで仲間達の傷を癒すことができる。それは白魔道士にのみ許された奇跡。そしてその代償は・・・・。

 殺到した2匹のオークの拳を食らい、彼女は吹き飛び・・・・そして二度と立ち上がることはなかった。
「くそおおおおお!」
 3人が一斉に気を乗せた剣技を叩き付け、黒魔道士が渾身の攻撃呪文を解き放つ。激しい炎の中、ようやく最初のオークが崩れ落ちる。
「次だ!」
 私達が2匹目のオークと戦い始めた頃、赤魔道士も目の前のオークに辛くもトドメを刺していた。自分に回復呪文を掛けながらガックリと膝をつく。しかしすぐに立ち上がると、またも剣を構える。
「・・・・まったく、人使いが荒すぎるぜ!」
新たなオークが、赤魔道士に迫っていた。

 白魔道士の遺体を前にして私達は無力感に打ちのめされていた。周囲にはオークの死体が4つ。冷静に考えれば、一人の犠牲ですんだことは幸運と言えるだろう。だが納得できるものではない。
「・・・・すぐにここを離れるぞ」
日没近いダボイ。私達は白魔道士にそれぞれ最後の別れを告げると出口へと向った。

 出口まであと少しというところで、ついにオークに見つかった。一体どこに隠れていたのかと思うほどの数がゾロゾロと私達に迫る。
「走れ!」
 まだ包囲はされていない。このまま行けば・・・・振り返ったすぐそこに、いるべき仲間がいなかった。黒魔道士が遅れていた。
「くっ!今行く!」
「来ないで!」
すでにオークどもが群がり、黒魔道士の姿を確認することすらできない。
「戻っても全滅するだけだ!早く逃げて!」
「だけど!」
「・・・行くぞ!いまのうちに脱出する!」
血を吐くようなリーダーの声を合図に私達は出口へと走り続けた。
「お先に・・・・」
それが黒魔道士の最後の言葉だった。

私達はジャグナーの密林をひたすら走った。
「しっかりしろ!」
リーダーが、サーベルタイガーの牙を受けて重症を負った赤魔道士を叱咤する。戦士が3人いても、彼の傷を癒すことはできない。
「俺は大丈夫だ。ここに置いて先に行ってくれ」
「そんなことできるわけないだろう!」
「しばらく休めば自分で回復魔法が使える。・・・正直走るのはもうウンザリでね」
「・・・・・・」
「俺一人なら魔法でどうとでもなるさ」
私達は、彼を大木の影に横たえその場を後にした。
「また、どこかで」
「ああ・・・おやすみ」

オークから逃げながら、ふと気付くと私は一人きりになっていた。
「他の2人は・・・無事だろうか」
大木の下で雨宿りしながら呟く。そこでふと、懐に一枚の紙が入っていることに気付いた。
「これは・・・・」
王城設計図。
 そうか、あの時慌てて私が持ったままだったのか。短い間とはいえ、共に戦った仲間達の顔が浮かぶ。随分と昔のことのようだ。
 いくらか体力も回復した私は立ち上がるとゆっくりと周囲を見回してみた。立て札を見ると、どうやら随分とジュノから離れた方向に来てしまったようだ。南に下ればすぐにラテーヌ高原、ロンフォール、そしてサンドリア・・・・。
「・・・サンドリアに、行ってみようか」
 サンドリアは騎士の国だ。仲間を守り抜く術を、力を、与えてくれるかもしれない。私は南へと続く街道を歩き始めた。この決断が、自分自身をある運命へと導くことになる。

その頃世界は、私の知らないところで大きく変わろうとしていた。
辺境への空路が開通し、バストゥークのコロロカへの入り口が開放された。
故郷ウィンダスでは禁断の魔法が復活しようとしていた。
そしてサンドリア。
騎士登用試験を受けるために騎士団を訪れた私は、一人の竜騎士の引き起こす事件に巻き込まれることになる。

そこで、一匹の飛竜の仔との出遭いが待っていることを、私はまだ知らない。

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