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2005.03.14

スピリットリンク(FF11)

オズトロヤ城最奥。
次々と倒れていく仲間達。
倒れ伏した私は、もう視線を上げることすらできない。
近くでQiqiruの苦しげなうめきが聞こえる。

もう動けない。
ここまでか・・・。


意識が遠のいていき、ふと気づくと私は真っ暗な闇の中に浮かんでいた。
手を伸ばしても何も触れない。
猛烈な心細さに襲われ必至に周囲を見回し、手を伸ばす。
良く見ると遥か遠くに小さな、しかし強い光を感じた。
すがるようにソレを手繰り寄せる。
やがてその光は徐々に輝きを増し、近づいてくる。
あともう少し。
手を伸ばせば届く距離になった時、背後から声が聞こえてきた。

 -よせ、それはヒトが使うには大きすぎる力だ-

力?
だったら今こそ力が必要な時じゃないか。

 -その力を使えば、二度と戻れないかもしれない。オレのように-

それでも・・・・必要なんだ!

ソレに触れた瞬間、視界が光に包まれた。

目を開くと、私は既に立ち上がっていた。
こちらに気づいたヤグードが奇声を上げてこちらに走りこんでくる。

 スピリットリンク・・・・・・・開放

魂に直接力が流れ込んでくる感覚。
そして同時に、何かが流れ出て行く感覚・・・。

痛みなど感じない。
全身に力が溢れ、誰にも負ける気がしない。
手にした槍を片手で力任せになぎ払うと、まともに食らったヤグードが壁まで吹き飛ばされ動かなくなった。

敵の生死を確認する暇もなく、新たな敵へと疾走する。
私に気づいたヤグードが両手刀を構えて攻撃を仕掛けてきた。
袈裟懸けの斬撃を横っ飛びでかわす。
そのまま跳躍し、頭上から一閃。
しかしその攻撃は相手に辛うじて受け止められた。

「クェア!!」

掛け声と共にヤグードの全身から何かが撃ち出された。
羽根吹雪!
猛毒の羽根が、着地点した私を貫かんと迫る。

至近距離、かわす術はない。
目を見開け!
見極めろ!
一瞬が永遠に引き伸ばされ、周囲の全てが手にとるように把握できた。
自分の体に当たる羽根だけを穂先で撃ち払う。

「!!」

ヤグードが驚愕に目を見開いた時には、既に私のランスが胸板を貫いていた。

「キサマ・・・バケモノカ・・・」

絶命したヤグードを見下ろすと眩暈が襲い、力が抜けていくのを感じた。

駄目だ。
まだ敵はいる。
力が・・・まだ力が必要だ!!

「やめろ!それ以上その力を使うな!」

仲間のエルバーンの叫びが耳に入ったが、構ってはいられない。
敵を。
敵をタオサナケレバ。

「スリプガ!!」

突如広範囲に魔法が作用し、ヤグード達が次々眠っていく。

「無事か!」
「退くぞ!負傷者を集めろ!エスケプする!」

助けが・・・来た・・・?
そう認識すると同時に、武器が手から滑り落ちた。
そして、私の意識はそのまま闇に沈んでいった。

目がさめると、そこはウィンダスのモグハウスだった。

「お、気づいたよー」

丁度様子を見に来ていたらしいミスラの戦士が、私の様子を見ると部屋の外に声をかけた。
彼女の相棒のヒュームが部屋に入って来た。

「アンタ達が助けてくれたのか・・・」
「ああ、丁度近くにいてな」
「ありがとう、助かった」

礼には答えず、彼は深刻そうな目で私を見つけてきた。

「お前・・・」
「ん?」
「いや・・・、そろそろ俺たちは出るよ。また縁があったら逢うだろう」
「そんじゃねー、Qiqiruちゃんによろしく~」
「ああ・・・・ありがとう」

二人と入れ違いに、今度は仲間のエルバーンが入って来た。

「どうやら大丈夫そうだな」
「Qiqiruは?」
「随分衰弱していたが無事だ。今は他の連中が見てるよ」
「よかった」
「Qiqiruの状態など、他人に聞かなくてもわかるだろう」
「・・・そう・・・なんだけどね」
「繋がるのが怖いか」
「!」

厳しい表情のまま、彼は続けた。

「スピリットリンクの危険性、知らぬわけではあるまい」
「・・・・」
「力を求めた結果、最後には」
「わかってる。そうなった竜騎士を・・・知っているから」
「だったら!」

予想以上に自分の声が響いたのに気づいたのか、彼は静かに言い直した。

「だったら約束してくれ。例え自分がどんな窮地に陥ろうとも、仲間が死にかけようとも二度とあの力を使わないと」
「・・・それは・・・約束できない」
「なに?」
「黙ってやられるのを待つなんてできない、それに・・・仲間を見殺しにするのはもうごめんだ」

これ以上話すことはないとばかりに一方的に会話を打ち切ると、ベッドから降りて部屋の出口へと向かう。
廊下を歩き出した私の背中に彼が声をかけてきた。

「もしお前が力に魅入られたならば、俺がこの手で始末をつける」
「いいね、それ」

そう答えて、私はモグハウスを後にした。


口の院の屋上で手すりにもたれながらただ海を眺める。
身体のあちこちが、常識を超えて酷使されたことを非難するかのように悲鳴を上げている。
いや、身体だけじゃない。
魂の奥底に、まるで楔をうたれたような痛みがある。

同時に、あの時の圧倒的な力の余韻も感じられた。
この力の誘惑に負けた時、私はヒトではなくなるのだろう。

海を染める夕日を眺めながら、ドラゴンスレイヤーでもあるラーアル隊長の言葉を思い出していた。
あれは、サンドリアで一人の竜騎士の最後を見届けた時だ。
今なら彼の言っていた言葉がよく理解できる。

 -お前が竜になるのではない-
 -竜がお前になるのだ-

竜・・・・か。
お前は、ヒトになりたいと思ったことがあるのかい?
Qiqiru・・・・。

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コメント

妄想ストーリーきたー!
最後の一説は、竜騎士取得クエのなかで語られるものですね。
竜騎士ジョブが欲しいと思った私、竜騎士となっていまも日々戦いに明け暮れている私。
私の魂も徐々に竜に侵食されつつあるのを感じる、いつかは竜に取り込まれるのだろう。でもまだ、大丈夫だ。

かっこいぃ~。

はなまるを進呈します。

投稿者: Rikisan (2005/03/15 8:31:16)

(*´Д`*)
かっこいい…

投稿者: Ron (2005/03/15 8:57:06)

(☆∀☆)もう「すげー!」の一言!

かっこいい文章ですね~(*´∇`*)

投稿者: しゃんでぃ (2005/03/15 9:31:19)

はじめまして。
いつも楽しく読ませていただいてます。
私も竜騎士をやっているのでとても内容が楽しく
また今回は竜騎士やっててよかったーと
思うくらいにカッコいい文章です。

私の子竜もQiqiruといいます。
これからも竜騎士がんばろうって思いました。

投稿者: プックル (2005/03/15 9:43:51)

やはり竜騎士ネタは力の入り方が違いますね!
私が妄想したのは「真の2nアビリティ、真竜召喚!」とかでしたw
あと、高所から落下したご主人を助けるため、一瞬だけ竜が成長するとか。
他には年に一度だけ子竜が人間のすがt(ry

投稿者: キャプテンダルメル (2005/03/15 18:07:28)

毎度ながら、妄想ストーリーカッコイイです!
さながら種割れか、いやまてゼロの領域か(個人的イメージはこっちが)
2度とスピリンには触れるんじゃねぇ!とか、
スピリンの先には何にもねぇんだ…とか、
警告してくれる先輩竜騎士がいたりとか…勝手に妄想が進むなぁw
FFでも、こんなアビ欲しいですね。次回の妄想も期待してます!

投稿者: kz (2005/03/16 2:03:17)

>リキさん
はい、最後のラーアル隊長のセリフはクエストで実際に言っていたものです。
竜騎士と竜が魂レベルで結びつき最終的には・・・という設定そのものは私の妄想じゃなくてFF11の公式設定なんですよね。
聖なる印の飛竜でも同じことが起こり得るんじゃないかという妄想してみました。
はなまるありがとうございます(笑)。

>Ronさん
たまには強い竜騎士を書いてみたかっt
原因と結末しか考えてなかった。
今では反省している。

>しゃんでぃさん
喜んでいただけたら幸いです。
こんなん実装されても困りますが(笑)。

>プックルさん
はじめまして。
竜騎士やってて良かったなんていわれると身に余る光栄です。
同じQiqiruとは奇遇ですね~。
ヴァナではめったに出会えません。

>キャプテンダルメルさん
高所から落下した場合は、現状でも滑空とかできそうですね。
海皇記みたいに腕につかまらせてとか。
それ以前に飛竜は翼によって物理的に飛んでるわけじゃないと思いますけど(笑

山で獣用罠にかかったドラ子を助けると人の姿になって恩返してくれるかも。
「決して覗いてはいけまs(ry

>kzさん
えーと、上からククル豆が落ちてきて弾けて瞳孔開くみたいな。
精神世界で飛竜と会話ってのも考えたんですが、それは24話あたりかなと(ぇー
竜を失った竜騎士、みたいなネタはかなり好きでよく妄想してます。

投稿者: 妄想竜騎士 (2005/03/16 16:13:41)

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